メニュー
Story 機能 サービス 知識 無料で登録する
Security & Privacy

何を預かり、
何を預からないか

WAM Pro はあなたを識別するために本名を要求しません。匿名性を前提に、扱うデータ・保存の仕組み・ユーザーごとの分離・AI の利用範囲・partner エコシステムとの境界を、率直にお伝えします。前提が変われば、ここに書いた内容も改訂します。

§1 — 匿名性を前提とした設計

WAM Pro はあなたを識別するために本名を要求しません

WAM Pro は資産管理サービスとして、機微なご家族情報をお預かりします。だからこそ 「本名を要求しない」を出発点に据え、外部に渡すデータ・partner との境界・AI の利用範囲を、すべてこの前提の上で設計しています。

日常運用はニックネーム(内部表記名 / display_name)で行います。本名・生年月日・住所・勤務先等の個人特定情報(PII)は、別テーブルに分離して保管し、行レベルセキュリティで lockdown しています。

アプリケーションの不具合や認証情報の事故が万一発生した場合でも、ニックネームと資産情報が同時に観測されたとしても、本名・住所・生年月日が同時に紐づくことは設計上発生しない仕組みになっています。識別子の漏洩で個人が特定されない構造を、データベーススキーマで担保します。

以下、本前提のもとで「何を預かり、どう守り、何を渡さないか」を順に説明します(§2 扱うデータ → §3 保存と保護 → §4 ユーザーごとの分離 → §5 判断の保存範囲 → §6 AI 境界 → §7 partner 境界 → §8 利用者の権利 → §9 整備状況 → §10 β 境界)。

§2 — 扱うデータ

Pseudonym 保護のもとでお預かりするもの

§1 の通り、WAM Pro は本名を要求しません。以下は、ニックネームに紐づけて保管する情報です。partner や AI に渡る範囲は別途、項目単位で制御します(§6・§7 参照)。

§3 — 保存場所と保護

どこに保管し、どう守るか

WAM Pro は、世界的に利用実績のあるクラウドサービス群を組み合わせてデータを保管しています。各サービスは認証・データベース・書類保管・監視といった役割ごとに分離されています。

利用しているサービス(役割別)
認証 Clerk 世界水準の認証サービス。ログインとユーザー識別を担当。
データベース Supabase PostgreSQL 世界水準のクラウドデータベース。行レベルセキュリティ機能を備える。
アプリケーション API FastAPI on Railway 専用サーバ運用のアプリケーションバックエンド。
書類保管 Cloudflare R2 大手 CDN 事業者の S3 互換ストレージ。
監視 Sentry エラー監視サービス。障害検知と原因特定に利用。

通信は HTTPS で暗号化され、書類は転送時・保管時ともに暗号化された状態で扱われます。各サービスへのアクセスは、WAM Pro のアプリケーション層からのみ許可される設計です。

多層防御の 5 層構造
図 1. 多層防御 — credential 漏洩・application bug・外部攻撃のそれぞれに対し、Process / 認証 / RLS / 監査 / 暗号化 の 5 層が独立に機能します。1 層が想定通り動かなかった場合でも、次の層が独立に防御します。
§4 — ユーザーごとのデータ分離

他の利用者からは見えない

あなたの Family Office データは、他の利用者から見えない仕組み(行レベルセキュリティ)で保管されています。WAM Pro のアプリケーションは、ログインユーザーがどの Family Office に所属しているかを毎回確認したうえで、データを取得します。

技術的には、データベースの各行に Family Office 識別子が付与され、ログインユーザーが所属していない Family Office の行はクエリ結果から自動的に除外されます(行レベルセキュリティ / Row Level Security)。Family Office を跨ぐデータ参照は、明示的な権限付与なしには発生しません。

従来 SaaS と WAM Pro の Row-Level Security 比較
図 2. 従来 SaaS は application layer の条件分岐でフィルタするため、コードの書き忘れ一つで漏洩経路ができます。WAM Pro は database 層で強制的にフィルタするため、application に bug があっても、物理的に他家族のデータには到達しません。
Row-Level Security をもう少し詳しく(技術的な掘り下げ)

Mechanism — 何が起きているか

データベースに保存される各行に Family Office 識別子が刻まれています。ログインユーザーが所属する Family Office の行のみが、データベース自身の判断で取得結果に含まれます。アプリケーションが「フィルタを書き忘れる」ことのできない場所で、分離が強制されています。

Implementation — どう作っているか

Supabase PostgreSQL の Row-Level Security policy として、各テーブルに fo_id = current_setting('request.jwt.claims') 制約を設定。ログインユーザーの認証トークンに組み込まれた Family Office ID が、データベース層でクエリに自動付与されます。本番稼働中の主要テーブル全てに適用しており、適用範囲は週次で自動監査しています(§9 参照)。

Design rationale — なぜこの設計を選んだか

「アプリケーションを正しく書けば漏れない」という設計は、人間が書く以上 bug が混入する前提で考えると不十分です。データベース自身に分離を担わせれば、application のどこに bug があっても他家族のデータには到達しません。失敗しても安全側に倒れる、を構造で確保するための選択です。

Limitations — できないこと・限界

RLS は「他家族のデータが見えない」ことを保証します。一方で、自分の Family Office 内で誰がどのデータをいつ参照したかは、別途の監査ログで記録します。また運営者は障害対応やデータ復旧の必要時にデータを参照可能な設計ですが、その場合は監査ログに記録します(参照時の利用者通知は順次整備中)。

家族内での参照履歴も監査ログに残ります。同意管理は 4 層に分離した設計とし、家族間の開示制御 governance を schema レベルで内包しています。

§5 — 保存するもの・保存しないもの

判断は固定しない

WAM Pro は、あなたの資産・契約・家族・所得といった "事実データ" を整理して保管します。一方で、税務判断、投資判断、法律判断は、固定された結論として保存せず、必要なときに前提を明示して再計算・再検討します。
これは、WAM Pro が "勝手に最適解を決めてしまう" のではなく、事実を保管し、判断は前提付きで行うという立場です。前提が変われば結論も変わる、という当たり前のことを、システムとして守るための設計です。

たとえば、相続税のシミュレーション結果や、不動産取得の意思決定は、その時点の前提(税制・金利・家族構成・資産配分)とともに残します。前提が変わったときに、結論だけを覚えていて誤った判断を導かないための設計です。

LLM-Neutral アーキテクチャ
図 3. LLM-Neutral — 利用する AI ベンダーを将来差し替え可能にするため、AI に渡す情報の枠組みを「契約」として定義する設計。判断そのものを固定せず、判断を支える前提を固定します。
§6 — AI 利用について

AI に何を渡し、何を渡さないか

WAM Pro は AI を以下の目的で利用します。

AI に送信する範囲は限定的です。 AI に渡すのは「同じ会話セッション内の dialogue 文脈」と「明示的に解析依頼した書類の内容」のみで、データベースに保管されているすべてのデータを常時 AI に送信することはありません。

LLM ベンダーに依存しない設計

WAM Pro は現在、Anthropic の Claude(Sonnet 4.6)を主に利用していますが、特定の LLM ベンダーに依存しない構造を採用しています。将来、Claude 以外の LLM(OpenAI / Google / オープンソース系等)に差し替えることが可能な設計です。

WAM Pro が AI に渡す情報の "枠組み" を契約のように定義し、その枠組みに沿って各 LLM を入れ替えられるようにしています。利用している LLM の種類が変わっても、何を渡し、何を渡さないかのルールは保持されます。

Constitutional List — AI に永続的に渡さない 6 領域
図 4. Constitutional List — どのような利用文脈・契約スコープであっても、AI に開示されない 6 領域。家族の安全保障(誘拐リスク・犯罪ターゲット化等)と、学習プロセスにおける partner 交渉非対称の防止に直結する境界線として、システム全体で永続的に強制されます。
AI に渡さない 6 領域

どの利用文脈・契約スコープでも、以下の 6 領域は永続的に AI(および partner)に開示されません。利便性の都合では緩めない、システム全体の不可侵境界として扱います。

  1. 家族構成員の個人情報:氏名・続柄・生年月日・住所など、個人を特定できる情報。AI への文脈付与が必要な場合は、匿名化された属性(年齢層・関係性ラベル等)で代替します。
  2. 現スコープ外の物件・取引履歴:今 AI に依頼している案件のスコープに含まれない、他物件や過去の取引のデータは、同じご家族のものであっても別スコープとして扱い、AI には渡しません。
  3. 金融資産の個別残高:個別銘柄の残高や評価額そのものは渡さず、集計値(資産クラス別合計・配分比率等)のみを文脈に応じて渡します。
  4. 過去の AI 会話履歴:別の機会の AI とのやりとりは、現在の会話スコープに含まれない限り、新しい AI セッションには渡しません。
  5. partner への開示履歴:どの partner にどの項目をいつ開示したかの記録は、AI には渡りません(partner 連携の透明性管理は、AI を介さない別チャネルで行います)。
  6. 学習履歴(利用者の理解度・mastery 進捗):利用者がどの概念をどこまで理解しているか、どの説明で迷ったかといった学習プロセスの内部記録は、partner には渡りません。「LTV をまだ理解していない初心者」と partner に知られることで生じうる、不利な交渉の非対称を未然に遮断します(WAM 内の学習補助 agent は内部利用に限定)。
Frame Contract — 内部データと外部 LLM の境界
図 5. Frame Contract — WAM Pro 内部データと外部の AI の間に置かれる、構造化された開示契約。Scope(範囲)/ Prompt(指示)/ Schema(出力構造)/ Validation(検証)の 4 要素で開示範囲を定義し、契約範囲外のデータは AI に到達しません。

AI の出力はあくまで判断補助であり、投資判断・税務判断・法律判断を代替するものではありません(§10 で詳述)。

§7 — Partner エコシステム開示の境界

同意なしに、データは渡らない

WAM Pro では将来的に、税理士・不動産仲介業者・IFA・弁護士等の専門家(partner)と連携し、利用者のニーズに応じたサービス紹介を行う仕組みを準備しています。
partner との連携にあたっては、利用者の明示的な同意なしに partner にデータが渡ることは一切ありません。どの項目を、どの partner 種別に、どの期間、どの目的で開示するかを、利用者が事前に確認・選択できる設計を default としています(技術的には、開示ポリシーをフィールド単位で制御する仕組み — 内部呼称: field_disclosure_rules / fo_disclosure_overrides — を採用)。
現時点では partner 接続は実証段階(内部マイルストーン M2 を準備中)で、業種別の標準開示範囲は順次確定していきます。確定状況は本ページの改訂履歴で都度反映します。

partner との連携に関する具体的な業者名・契約条件・紹介料率等は、M2 のマイルストーン到達時に本ページに追記します。それまでは「未確定」として扱い、現時点で確約できない事項を約束する記述はしません。

Frame Contract Governance — 運用 3 原則
図 6. partner エコシステム連携の運用 3 原則 — 匿名性の維持 / 最小開示 / 利用者の事前認可。どの partner に何を開示するかを利用者が事前に確認・選択する設計を default とします。

partner 接続時には、開示対象を「同意ベース」だけでなく、項目単位で物理的に絞り込む SQL view 層を介して接続する設計とします(内部呼称: T3 column physical exclusion)。partner 側から見る SQL から、開示対象外の項目はそもそも存在しない状態になります。(2026-05 時点、設計確定 / partner 接続実装は M2 到達時に展開)

§8 — 利用者の権利

あなたのデータに対する権利

データ削除依頼は、本ページ末尾の問い合わせ導線からご連絡ください。受領後、原則として遅滞なく対応します(法令上の保存義務がある一部データを除く)。

利用者自身が範囲を指定して外部監査人へ開示するための export 制御も、同じ governance 構造に位置づけられています。

§9 — Trust Milestones(整備状況)

現在の整備状況と次の予定

達成済の事項のみを「達成済」として記載します。未達成の項目は方針として言及しますが、達成時期の約束はしません。達成事実が確認できた段階で本ページに追記します。

現在の整備状況(2026-05-28 時点)
Family Office 単位のデータ分離(行レベルセキュリティ)を全面適用済
Clerk 認証経由のユーザー識別を全機能で運用
データ操作の監査ログを月次パーティション形式で記録
開示ポリシーの設計(フィールド単位の制御)を実装済
本名・PII 層をデータベーススキーマで物理分離(Pseudonym by Design、§1 参照)
機微テーブル群への匿名アクセス経路を週次で自動検知(anon canary + 監査差分、漏洩経路の継続的閉塞)
2026-05 セキュリティ強化の経緯(透明性ノート)
2026 年 5 月、社内監査で一部 view 経由の匿名アクセス経路を検出しました。即時に該当 view の権限を revoke し、恒久対策(security_invoker 化・ALTER DEFAULT PRIVILEGES)を完了。同時に、機微テーブル群への週次自動検知(上記 ✓)を導入し、同種事案の再発を構造的に防ぐ体制としました。発見・修復・予防の流れを率直に記載します。
次の整備予定(達成時に本ページに追記します。約束化はせず、達成事実のみ報告します)
初回 partner 接続前の、partner-data 開示契約の雛形公開
利用者数拡大前の、第三者によるアプリケーションレビュー
公開マーケティング開始前の、ペネトレーションテスト
§10 — β 版の注意 / 投資助言ではない境界

WAM Pro が行わないこと

WAM Pro は現在β版です。機能、画面、データ構造は改善のため変更されることがあります。
WAM Pro および WAM AI は以下を行いません
  • 個別銘柄(株式・投資信託・暗号資産 等)の売買推奨
  • 特定の金融商品・金融機関・外部サービスの勧誘
  • 税務・法律の具体的な代理判断
  • 専門家の確認が必要な事項についての断定的助言

重要な金融判断・税務判断・法律判断については、必ず税理士・弁護士・司法書士・金融機関・不動産専門家等への相談を推奨します。WAM Pro の出力はあくまで判断補助です。

改訂履歴
日付変更内容
v1.62026-05-28narrative 構造再設計 — 「匿名性が前提」を最初に説明する protection-first 順に再構成。§1 新設「匿名性を前提とした設計(Pseudonym by Design)」を冒頭に配置し、§2「扱うデータ」は本前提下で再フレーミング(家族構成行も AI 境界での匿名属性扱いを併記)。§2-§9 を §3-§10 へ繰り下げ、Hero sub-headline に「本名を要求しません」を明記。同 narrative 整合のため /register page の name placeholder と説明文も更新。
v1.52026-05-28§3.5「データ最小化(Pseudonym by Design)」新設 — 本名 / PII 層を individual_profiles に物理分離する設計事実を Layer 3 voice で明示、Constitutional 6 #1 (氏名 OFF) を AI 境界 + DB 物理分離の 2 重で担保する narrative を明文化(v1.6 で §1 に昇格)。§3 RLS 適用テーブル数表記を「主要テーブル全て + 適用範囲の週次監査」へ。§6 末尾に T3 column physical exclusion (partner 接続 M2 時) の設計事実を追記。§8 達成 ✓ に Pseudonym 物理分離・週次自動検知 (anon canary + 監査差分) を追加、2026-05 セキュリティ強化の経緯(透明性ノート)を併記。register page の本名 placeholder をニックネーム整合に同時修正。
v1.42026-05-13§3 末尾に家族間の参照履歴・開示制御 governance を、§7 に相続時アクセス権移譲と外部監査 export 範囲制御の設計事実を追記。Authority 層 (4 層分離の最上層) が schema レベルでこれら 3 領域を内包する事実を Layer 3 voice で明示。
v1.32026-05-13§5 Constitutional List を 5 領域 → 6 領域 に拡充。6 番目「学習履歴(理解度・mastery 進捗)」を追加し、partner 交渉の非対称(「初心者だと知られて不利な提案を受ける」リスク)を schema レベルで遮断する境界として明示。図 4(constitutional_list.svg)も同期更新。
v1.22026-05-12§2 利用サービス一覧にプロバイダアイコン(simple-icons / OSS)を追加。§3 の 4 軸詳細解説は PC では default 展開、モバイルでは折りたたみ状態で表示。
v1.12026-05-12§2-§6 に技術解説の図 6 点を追加。§3 に Row-Level Security の 4 軸(Mechanism / Implementation / Design rationale / Limitations)解説を追加。§5 に Constitutional List 5 領域を明文化。
v1.02026-05-11初版公開(§1-§9 全 9 セクション + Trust Milestones α-T1)

ご質問・データ削除依頼は

本ページの内容についてのご質問、あるいはデータ削除依頼は、以下からご連絡ください。受領後、原則として遅滞なく対応します。

メールで問い合わせ 無料登録ページへ